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「一帯一路」の最新状況-参加国の現状・ロシアとの関係・日本のメリット・AIIBとの関連性をわかりやすく

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「一帯一路」構想とは、中国の国家主席・習近平氏が2013年より提唱し、現在も推進している、アジア〜ヨーロッパ〜アフリカ大陸にまたがる巨大経済圏構想を指します。中国政府は、2021年6月時点で、一帯一路における共同建設において、すでに140ヵ国、32の国際組織と計206件の協力文書を調印しているとしています。

本テキストでは「一帯一路の基礎知識」として、一帯一路の基本情報はもちろん、一帯一路構想が提唱された背景、一帯一路の参加国と現状、「AIIB」との関連性と国際的な問題点、さらにウクライナへ侵攻したロシアとの関係、一帯一路と日本および日本企業の関係とメリット…などについて、盛りだくさんかつわかりやすく解説します。

米中貿易戦争の要因ともされている「一帯一路」ですが、同時に、アジア各国の経済格差を是正する、世界経済的に有意義なメリットのあるプロジェクトという側面もあります。

世界を覆った新型コロナ感染拡大に関しても、すでに「一帯一路」に参加している国を中心に、中国の製薬会社が現地で臨床試験を実施。治験後は、その国々にワクチンを供給していました。

2021年11月には、ASEANとの対話関係開始30周年となるオンライン首脳協議にて、1億5,000万回分の新型コロナウイルスワクチンを追加で無償援助する旨を習近平国家主席が発表。そんな一帯一路に基づいた〝新型コロナ外交〟の行方も注目されていました。

しかし、2022年2月24日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始。本文で詳しく解説しますが、先述のコロナ外交同様、中国の一帯一路構想におけるロシアとの関係性は、お互いの利害が一致する(比較的)ポジティブなものでした。しかしロシアとウクライナの戦争によって、東欧諸国における一帯一路構想の停滞は避けられないものとなりつつあります。本文では、そんな「ロシアによるプーチンリスクにさらされる一帯一路の最新状況」についても解説します。

今回は中国の国家戦略である「一帯一路」を、上記のような多岐に渡るアングルから考察していきます。

1. 一帯一路の基本情報

「一帯一路」とは中国が掲げる巨大経済構想

「一帯一路(いったいいちろ)」構想とは、中国の国家主席・習近平氏が2013年より提唱し、現在も推進している、アジア〜ヨーロッパ〜アフリカ大陸にまたがる巨大経済圏構想です。

英語名は「One Belt, One Road」で「OBOR」と略されたり、「The Belt and Road Initiative」で「BRI」と略されるケースがあります。

中国を起点としたアジア〜中東〜アフリカ東岸〜ヨーロッパのルートを、「一帯」と呼ばれる陸路と「一路」と呼ばれる海路によって結ぶことで、エリア全体における経済的協力関係を構築するという、中国の国家戦略とされています。

ちなみに、「一帯」とは、中国西部から中央アジアを経由してヨーロッパへと続く「シルクロード経済ベルト」を指し、「一路」とは、中国沿岸部から東南アジア、スリランカ、アラビア半島沿岸部、アフリカ東岸へと続く「21世紀海上シルクロード」を指します。

これらの陸路(一帯)と海路(一路)で結ばれた各都市における…交通網の整備(=高速道路・鉄道・港湾による効率的な物流システムの構築)、パイプラインの敷設、生産工場の開設…などを経て、それらの地域の経済発展に寄与していくというのが「一帯一路」の持つ経済的な戦略です。

先述したように中国主導による極めて広範囲な経済構想である「一帯一路」ですが、同国の地政学上の安全保障にも密接に関係した国家戦略という側面もあります。具体的には〝中国モデル〟をベースとした国際秩序を形成するという意味合いが強いとも言われています。

それこそ2018年より勃発した米中貿易戦争の大きな要因のひとつともされている「一帯一路」ですが、同時に、圏内の経済発展を促すことで、各国の経済格差を是正する世界的に有意義なプロジェクトという意味合いもあるのです。

本テキストでは、中国の国家戦略である「一帯一路」を、そんな多岐に渡るアングルから考察していきます。

2. 一帯一路とロシアの関係 /プーチンリスクにさらされる一帯一路の行方は?

ロシアのウクライナ伊侵が東欧における「一帯一路」の停滞要因に…?

2022年2月24日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始。現在、国際社会で孤立するロシアに対して、中国の動きが注目されていますが、このセクションでは、中国の掲げる一帯一路とロシアとの関係について、簡潔に解説します。

ロシアは、自国の「シベリア鉄道」の有効活用を始め、中国、ロシア、インド、パキスタンと中央アジア4ヵ国(ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン)からなる「上海協力機構」および、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3ヵ国での経済協力体制を強化するための経済同盟である「ユーラシア経済同盟(EEU)」に加盟していることから、中国の「一帯一路」にはポジティブな態度をとっていました。

2019年6月のロ中首脳会談においても、習国家主席とプーチン大統領は、「一帯一路」構想と、「ユーラシア経済同盟(EEU)」、そして、そのEEUに中国やインドなどを取り込んだ大経済圏「大ユーラシアパートナーシップ」構想の発展において両国の想いが一致した旨を述べていました。

しかし、先述のように、2022年2月24日、ロシア軍がウクライナへの軍事侵攻を開始すると、その雲行きも怪しくなっているのが現状です。

なぜなら、そもそもロシアにとってのウクライナは、ロシアと欧州諸国を結ぶ鉄道や、道路や、エネルギーパイプラインの重要なポイントとなっていました。やがて中国の一帯一路に、ウクライナも加わわると(ウクライナ側の統計によると、2020年におけるウクライナの輸出入のトップ国は、ともに中国となっています)、中国企業がウクライナの港湾や地下鉄の整備事業を実施するようになったのです。

しかし、今回のロシアのウクライナ侵攻によって、事態は暗転します。国際社会で孤立するロシアに対する中国の態度は、断固として経済制裁をする欧米諸国に対して、いまだ及び腰であるばかりか、中国国内の反ロシア論を抑えつけているのが現状です。そんな中国の態度を見て、東欧諸国の多くが中国と距離をとりつつあるのです。

さらに今回のロシアのウクライナへの軍事侵攻によって、中国とポーランドとの関係性も危ぶまれています。ポーランドは「一帯一路」の鉄道網の重要なポイントであり、中国企業であるファーウェイの地域本部も置かれているエリアです。いわば、中国および一体一路構想は、東欧諸国において、いわゆる〝 プーチンリスク〟にさらされているのです。

現在の状況は、ウクライナを含む東欧諸国における「一帯一路の停滞」につながりかねません。

3. 一帯一路構想が生まれた背景

2013年に習近平国家主席により提唱された「一帯一路」

ここからは改めて「一帯一路」構想が誕生した背景から見ていきましょう。2013年、国家主席に就任してまだ間もなかった習近平氏は、新たな外交戦略および対外開放戦略の一環として、「一帯一路」構想を初めて公の場で提唱しました。

やがて2017年5月には「『一帯一路』国際協力サミットフォーラム」が北京にて開催されたことを契機に、国際社会における関心が高まりました。

一帯一路を支える「AIIB」と「シルクロード基金」とは

さらに「一帯一路」構想を資金面で支える機関として、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」と「シルクロード基金」の2つがそれぞれ創設されています。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)は、中国が主導するアジア太平洋地域のインフラ整備を支援する国際金融機関として、習近平主席によって、2013年の10月のAPEC首脳会談で提唱され、2015年に正式に設立。

シルクロード基金は、2014年12月に、アジアのインフラを整備する目的で中国が独自に創設したファンドで、先述のAIIBとは異なり中国独自の判断で投資先を決める機関となっており、その出資規模は400億ドルに及ぶとされています。

習近平が「一帯一路」構想を提唱した本当の理由とは…?

では習近平主席は、いったい〝なぜ〟「一帯一路」構想を提唱し出したのでしょうか?

正式にはアナウンスされていませんが、結論から言ってしまえば、「一帯一路」構想とは、2013年までに中国が行ってきた、その甚大な国内投資から生み出された過剰な生産能力を輸出し、国内で行き詰まった経済成長を国外に広げることで、国内の生産余剰問題を解消する、新たな経済戦略であると言われています。

そもそも中国は2008年の北京オリンピック開催に伴う国内のインフラ整備に力を入れていました。それこそオリンピック前後のバブルとも言える状態を謳歌していた中国経済でしたが、同年9月にアメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した「リーマンショック」が勃発します。

日本、アメリカ、ヨーロッパを含めた多くの国々の経済はマイナス成長に陥り、世界同時不況が起こりました。しかし、そのような中、中国だけが、甚大な資金をつぎ込んだ景気刺激策を実施します。高速鉄道、高速道路、公共施設、通信設備、住宅…etc.と国内の様々なインフラ整備に使われた景気対策資金は4兆元(約57兆円)という驚異的な金額でした。

それこそ当時のリーマンショックによる世界経済の低迷は、その驚異的な中国経済の成長が食い止めたとも言われるほど当時の中国の経済的躍進は凄まじいものだったのです。

しかし、ある一定の領域にまで達してしまえば、当然ながら、中国国内に過剰生産が発生します。その結果、国内には鉄やセメントといった様々な資材が余り始めます。やがて、4兆元に上る景気対策によって、リーマンショック後の中国国内の投資効率は大幅に低下していきます。そもそも投資額の額が額ですからバックラッシュ(反動)も相当なものでした。…そんな時期がちょうど「一帯一路」構想が発表された2013年と一致するのです…。

先述したように、「一帯一路」構想は、そんな国内の過剰生産を海外に投資することで効率的に回収するという思惑も含まれている…という見方も強くあることは心に留めておくとよいでしょう。

4. 一帯一路の参加国と現状

「一帯一路」が誕生した背景に続いては、一帯一路の参加国である沿岸の国々とその現状について解説します。さらには改めて一帯一路の対象地域についても見ていきましょう。

2021年1月時点で中国政府はイタリアを含めた140ヵ国と調印

2019年3月時点で、中国政府は125ヵ国の国々と、29の国際組織との間で、173件の政府協力文書に署名しているとしていました。続く2021年6月時点の発表では、一帯一路における共同建設において、140ヵ国、32の国際組織と計206件の協力文書を調印しているとしています。

すでに「一帯一路」共同構築に関与する国は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカ、南太平洋地域にも広がっており、2019年3月にはG7(主要7か国)で初となるイタリアが覚書に調印したことが話題となりました。

EU諸国で「一帯一路」覚書を締結しているのは15ヵ国で、イタリアは16番目になりましたが、EUの中核国の一つであるイタリアの覚書調印は、欧州各国に大きな衝撃を与えました。

また、ギリシャ、ポルトガル、マルタなども「一帯一路」構想のコミュニティに加わっています

「六廊六路多国多港」とは?

一帯一路の沿岸国に続いては、改めて一帯一路の対象地域について見ていきましょう。

結論から言ってしまうと、一帯一路とは、その名称から受ける印象とは異なり、「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海上シルクロード」から更に枝分かれした、複数の回廊から構成される、より複雑な構造から成り立っているということです。

そもそも「シルクロード経済ベルト」は下記の3つのルートがあります。


① 中国西北、東北から中央アジア、ロシアを経てヨーロッパ、バルト海に至るルート
② 中国西北から中央アジア、西アジアを経て、ペルシア湾、地中海に至るルート
③ 中国西南からインドシナ半島を経て、インド洋に至るルート

さらに「21世紀海上シルクロード」にも2つのルートが存在します。

① 中国の沿海港から南シナ海を通り、マラッカ海峡を経て、インド洋に到達し、さらにヨーロッパへ伸びていくルート
② 中国の沿海港から南シナ海を通り、さらに太平洋へ伸びていくルート

さらに、それら5つのルートに基づいた「六廊六路多国多港」という枠組みが発表されています。

「六廊」とは、六大国際経済協力回廊を指します。
※「新ユーラシア・ランドブリッジ」「中国・モンゴル・ロシア」「中国・中央アジア・西アジア」「中国・インドシナ半島」「中国・パキスタン」「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー」の6つの回廊

「六路」とは、鉄道・道路・海運・航空・パイプライン・情報網の6 つを指します。

「多国」とは、一帯一路構想に協力する国々を指します。

「多港」とは、海上輸送の主要ルートの協力港を指します。

このように、「6つの経済回廊、6つのルート、複数の国、複数の港」からなる「六廊六路多国多港」という枠組みを掲げて、「一帯一路」構想への協力および参加を募っているのです。

5. 一帯一路の国際的な問題点とは?

テキストの後半では、国際的に一帯一路の問題点として挙げられているトピックについて見ていきましょう。

結論から言うと、一帯一路の大きな問題点は、「AIIBと債務のわな」「米中対立の大きな要因」のふたつになります。

AIIBと〝債務のわな〟の関連性とは?

まずは「AIIBと債務のわな」について見ていきましょう。

AIIBとは先述したように、中国の主導によって設立された国際金融機関のことで、アジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank = AIIB)と呼ばれる、アジア向けの国際開発金融機関です。

2020年1月時点で、AIIBには102の国・地域が加盟しています(※日本とアメリカはその参加を見送っている状態です)。

問題は、いまだに不透明とされるAIIBの実態と「一帯一路」の関係性にあります。

もともとAIIBは、中国が主導するアジア太平洋地域のインフラ整備を支援する国際金融機関として2015年に正式に設立しました。

日本とアメリカが加盟するADB(アジア開発銀行)では対応しきれないほど増大する、アジア地域のインフラ整備に必要な資金のニーズに補完的に応えることも目的としていました。

設立後、AIIBの理事会で承認された累計融資額が120億ドルとされていた時期がありました。しかし、実際に融資されたのは2割にも満たないとの報告があります。その多くはADB(アジア開発銀行)や世界銀行(World Bank)のプロジェクトに、いわば相乗りするような協調融資となっているという報告がなされたのです。

また2017年以降、一帯一路に対する批判として表面化してきたのが、中国による発展途上国への「債務の罠」と呼ばれる事例です。

その代表的な例が「スリランカのハンバントタ港の運営権を中国に譲渡した事例」です。

スリランカは、中国から融資を受けて自国内にハンバントタ港という大規模な港を建設したものの、借入金の返済に行き詰まってしまい、中国企業にハンバントタ港の運営権を99年間引き渡すことになったのです。

この「債務の罠」への警戒感は、これまで一帯一路構想に協力的であった沿線の参加国にも波及。一部の国では中国との経済連携に好意的だった政権が選挙で敗北、後の新政権によって事業見直しが行われるほどでした。

アメリカの研究機関「世界開発センター(CGD)」が2018年3月に発表した調査では、モンゴル、ラオス、キルギス共和国、タジキスタン、パキスタン、モルディブ、モンテネグロ、ジプチの8ヵ国が、一帯一路にともなった債務リスクを抱えていると指摘されています。

一帯一路が米中対立の大きな要因となっている理由とは?

結論から言ってしまえば、中国にとっての「一帯一路」構想とは、アメリカと真正面から対立するのを避けるための国家戦略でもありました。だからこそ、あえてアジア〜アフリカ〜ラテンアメリカという、比較的アメリカ資本が濃くない地域へ活路を求めたのです。

しかし先述したような発展途上国への「債務の罠」の問題や、G7諸国で初となるイタリアの参加表明などによって、アメリカを中心とする西側諸国は一帯一路への警戒を年々強めています。

さらに、中国が一帯一路に併せて構築を進めているシーレーン戦略「真珠の首飾り」についても、アメリカは注視しています。

シーレーンとは、交易や安全保障上で重要な意味をもつ海上交通路のことを指しますが、「真珠の首飾り」とは、ちょうどインドを人の顔に例えた場合、まるでネックレスのように海上航路が繋がっていることを意味します。

中国はその海上航路上にあるインド洋の港に中国海軍の船艇を配備しているのです。これはインドはもちろん、西側の代表国であるアメリカの安全保障戦略において重要な問題となっています。

さらに「デジタルシルクロード」と呼ばれる、一帯一路に含まれるオンラインネットワークの普及と活用に関する活動も、アメリカにとっての懸念事項となっています。

問題のトピックは2017年に中国で成立した国家情報法です。それによると中国の組織および個人は中国政府の要請に応じて情報を提供しなければならず、理論上では、デジタルシルクロードで拡張されている中国企業が保有している光ケーブルや新規格の高速大容量通信「5G」ネットワークなどを通過した情報について、中国政府が要請すれば、それらを入手できる可能性があるからです。

当然ですが、すでにアメリカのみならず、世界中の国々が情報戦を行っていますが、一帯一路にともなう情報ネットワークの拡張及び発展は、情報戦略に長けたアメリカにとって大きな脅威となっていることは言うまでもありません。

6. 一帯一路と日本の関係&メリットとは?

日本は「第三国市場協力」の枠組みで協力

このセクションでは、「一帯一路」構想と日本の関係、さらには日本企業のメリットについて見ていきましょう。

2022年現在、一帯一路は、世界の経済情勢の変化と先述したアメリカとの対立の激化により転換を余儀なくされている状況です。

2019年4月に中国が開催した一帯一路のフォーラムでも、習近平主席は、国際ルールに基づきながら、各国の法律を尊重しつつ、財政上の持続可能性を確保していく…という国際社会に配慮した旨のコメントを述べています。

日本政府も、2018年10月の安倍首相訪中時において、中国側と一定の共通認識を共有した「第三国市場協力」の枠組みで協力を模索している状況です。

日本の経済産業省は、第三国市場協力の類型として「日中企業が共同でインフラ案件を受注・運営」する旨を挙げていますが、タイの東西経済回廊プログラムにおける日中協力は、まさに一帯一路構想と日本および日本企業の関係性およびメリットを示していくプロジェクトと言えるでしょう。

7. 一帯一路は世界平和に貢献するのか?

世界平和と安全保障戦略の両極を併せ持つ(?)「一帯一路」

最後のセクションでは、一帯一路の意義について考察していきます。

誤解を恐れずに言えば、世界の平和と国家間の安全保障・軍事戦略は、常に表裏一体の関係にあります。

中国政府は「一帯一路」はアジアの発展のためにも必要不可欠であり、アジア諸国の経済格差を是正し、世界の平和と発展にも有効であるという旨を述べています。

確かにアメリカをはじめとする欧米各国は、中国の一帯一路構想を警戒していますし、事実、一帯一路を「新植民地主義」とする見方もあります。

ただ21世紀において中国が主導する一帯一路構想は、重要な国家戦略として今後も継続されていくはずですし、一帯一路によってアジア諸国を始めとする沿岸国の経済事情は確実に変化しています。

いずれにせよ、グローバリズムが浸透した、コロナ禍後の「ニューノーマル(新常態)」な世界を生きる人々にとって、そしてグローバルマーケットを舞台にした日本企業にとって、一帯一路の存在を認知せずに経済活動を行うことは得策ではありません。

冒頭で述べたように、世界を覆っている新型コロナ感染拡大に関しても、この「一帯一路」に参加している国を中心に、中国の製薬会社が現地で臨床試験を実施しています。治験後は、その国々にワクチンを供給すると見られており、一帯一路に基づいた〝新型コロナ外交〟とも呼ばれています。

2020年8月、習近平国家主席が、アフリカにワクチンを優先的に供給する旨を示しており、李克強首相もタイやベトナムといったメコン川流域各国に優先的にワクチンを供給するとコメントしたことが話題となりました。

その後2021年2月には、中国製造の新型コロナウイルスワクチンがパキスタン軍とカンボジア軍に供給。ちなみに2021年10月末時点でASEAN諸国には計3億回分のワクチンを供給しており、2021年11月には、ASEANとの対話関係開始30周年となるオンライン首脳協議にて、1億5000万回分の新型コロナウイルスワクチンを追加で無償援助する旨を習近平国家主席が発表しています。それらにともなって一帯一路の参加国がどう変化していくのか予断を許さない状況ではあります。

そういう意味でも「一帯一路」についての理解を深めることは充分な意義があるのです。

8. 優良な中国進出サポート企業をご紹介

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今回は「一帯一路の基礎知識」として、一帯一路の基本情報、一帯一路構想が提唱された背景、一帯一路の参加国と現状、「AIIB」との関連性を背景とする一帯一路の国際的な問題点、一帯一路と日本の関係と最新状況…などについて解説しました。

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